大判例

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福岡高等裁判所 事件番号不詳〔3〕 判決

主文

原判決中、被告人藤川篤男、同川北賢、同坂元徳栄、同河村源三郎に関する部分を破棄する。

被告人藤川篤男を懲役八月、同川北賢、同坂元徳栄、同河村源三郎を各懲役六月に処する。

但し被告人坂元徳栄に対しては原審の未決拘留日数中六十日を右本刑に算入し、此の裁判確定の日から三年間右刑の執行を猶予する。

被告人藤川篤男から、領置に係る神福丸一隻を、被告人川北賢から領置に係る真鋳屑七百六十八、二瓩、砲金屑千七十七、四瓩、銅屑百五十九、二瓩、鉛屑百八十一、四瓩、を被告人河村源三郎から領置に係る真鋳屑百五十五、五瓩、砲金千五百七十六、八瓩、鉛屑九十三瓩、銅屑五千百四十九、二瓩を、いづれも、これを没収する。

原審の訴訟費はその全部を五等分し、その一を被告人坂元徳栄の負担とし、当審の訴訟費用(国選弁護人に支給したもの)は、被告人藤川篤男、同川北賢、同坂元徳栄、同河村源三郎の各負担とする。

被告人家永清次の本件控訴は、これを棄却する。

当審の訴訟費用(国選弁護人に支給したもの)は被告人家永清次の負担とする。

理由

弁護人谷本二郎の陳述した控訴の趣意は、同弁護人及び弁護人山本真平並に被告人藤川篤男各提出の趣意書記載の通りであるから、茲に之を引用する。

各量刑不当の論旨について。

記録を精査し、諸般の犯情に照らすと、被告人家永清次に対する原審の科刑は相当と思へるので同被告人に対する右論旨は理由がないが其の余の被告人等に対する科刑は些か重きに失するので、右各論旨はいづれも理由がある。

そこで被告人家永清次の本件控訴は刑事訴訟法第三百九十六条に則りこれを棄却し、其の余の被告人等に対しては同法第三百九十七条に則り原判決中右被告人等四名に関する部分を破棄し、同法第四百条但書に基き次の通り自判する。

当審の認定した犯罪事実は原判決摘示事実第三の中の最後の「日本領海内に入り、」とある「り」以下全部を削り次のように改める。「つたがその貨物の陸揚を為さないうち官憲に発見されもつて輸入の目的を遂げず」、又第二及び第六の事実の全部を削除する外罪となるべき事実及び之を認める証拠は総て原判決に示されたところと同一であるから茲に之を引用する。

右被告人藤川篤男、同川北賢、同坂元徳栄、同河村源三郎等の右判示所為に対する法令の適用は次の通りである。

(一)被告人藤川篤男、同坂元徳栄等の判示第一の密出国の点につき。

いづれも昭和二十五年十月三十一日政令第三百二十五号占領目的阻害行為処罰令、附則第三項、昭和二十一年勅令第三百十一号、第四条第一項第二条第三項、一九四七年四月十四日SCAPIN一六〇九「海外に旅行する日本人に対する旅行証明書に関する覚書」罰金等臨時措置法第二条(いづれも懲役刑選択)。

(二)被告人藤川篤男、同川北賢、同坂元徳栄、同河村源三郎等の判示第五の不法入国の点につき。

いづれも昭和二十五年十月三十一日政令第三百二十五号、占領目的阻害行為処罰令附則第三項、昭和二十一年勅令第三百十一号、第四条第一項、第二条第三項、昭和二十四年三月九日SCAPIN九二七/一七「引揚」と称する覚書罰金等臨時措置法第二条(いづれも懲役刑選択)。

(三)被告人川北賢、同河村源三郎等の判示第三の密輸入の未遂の点につき。

いづれも関税法第七十六条第二項第一項、罰金等臨時措置法第二条(いづれも懲役刑選択)。

(四)被告人藤川篤男、同坂元徳栄等の判示第四の貨物運搬の点につき。

いづれも関税法第七十六条ノ二第一項、第七十六条、罰金等臨時措置法第二条(いづれも懲役刑選択)。

(五)被告人藤川篤男、同川北賢、同坂元徳栄、同河村源三郎等の併合罪につき。

いづれも刑法第四十五条前段、第四十七条、第十条(いづれも最も重い判示第五の刑に法定の加重)。

(六)被告人坂元徳栄の未決拘留の通算につき。

刑法第二十一条。

(七)被告人坂元徳栄の刑の執行猶予につき。

刑法第二十五条。

(八)被告人藤川篤男、同川北賢、同河村源三郎の没収につき。

いづれも関税法第八十三条第一項。刑法第四十九条。

(九)被告人等五名の訴訟費用につき。

いづれも刑事訴訟法第百八十一条第一項。

以上の理由により主文の通り判決する。(昭和二六年一〇月一五日福岡高等裁判所第三刑事部)

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